ホステルを開くまでと、それから

2019年7月オープン予定 新富士駅前の宿 きの屋 KINOYA HOSTEL near the Sin-Fuji Station について

布団選び その3(敷布団)

敷布団ですが、これも家庭用洗濯機やコインランドリーで洗えるタイプで当初は探していました。

で、アマゾンでいくつか試しに買ってみたんですが…
寝てみた感じ、ちょっとだけ薄いんですよね。というか床の底付き感がある。

というのも、詰め物の充填量が多く、ボリュームがあると、家の洗濯機に入らないので洗えないですよね。だから洗えるタイプは多少薄く作られている。

それと、敷布団は3重構造のものも多く、それらは芯にウレタンや巻き綿など使っていて、床の硬さを感じないように作られています。で、大抵は芯があると洗えないです。(中には、芯部分は外して洗える布団もあるようです。ただ、若干高価でした…。)

自分はまだ30歳近くなので、そんな気にならないのですが、60歳以上の父が寝てみると床の底付き感は少し気になるようでした。まあ、下にマットレスを敷けば問題無さそうですし、客室が基本畳なので(ドミトリーも含め)、畳がある程度マットレスの役割を果たしてくれそうなので大丈夫だとは思うのですが…

結局、父の感想も参考にして…
三重構造で巻綿の芯がある敷布団をニトリで買いました。これなら床の底付き感はほぼ無くなったと言えるでしょう。洗えないタイプですが、敷きパッドを使えば、ほとんど汗は敷きパッドとシーツが吸ってくれるしょうし。

小さいなお子さんが泊まられたときのお漏らしが心配ですが、その場合は予め洗えるタイプの布団を使って頂くか、防水シーツを敷パットと敷布団の間に噛ませるなどして対策していけばいいかと判断しました。

布団選び その2(掛け布団)

前回の続きで。
ホステルで使う布団に関して。

最初、掛け布団は羽毛にしようと決めていました。
綿布団の方が安価ですが、自宅やコインランドリーで洗えないデメリットがあります。
羽毛布団の羽毛は水鳥のものだからか(推測ですが)、自宅やコインランドリーでも洗えるのです。

というのも、宿泊施設でお客様が利用するものだから、衛生管理も一般家庭で利用するよりは、厳しく行われるべきですから。

厚生労働省が定める宿泊施設の寝具の衛生管理基準があるようですね。
「公衆浴場における衛生等管理要領等の改正について」
https://www.mhlw.go.jp/topics/2001/0111/tp1106-1.html


でも、羽毛の掛け布団ですが安いものでも1万二千円くらいはするんですよね。
20組は布団が必要ですから、結構大きな買い物です。


それで、本当に羽毛布団で良いのかなと思い、改めて掛け布団についていろいろ調べてみました。

 

掛け布団の充填物の種類

  1. 羽毛
  2. 綿
  3. ポリエステル
  4. 羊毛

などが主のようです。

それぞれの特徴としては、

羽毛は、

  • 一番温かく
  • それでいて軽い。
  • 吸湿性と放湿性に優れ、あまり干さなくてもいい。
  • ただ、安価なものを選ぶとたまに動物臭い。
  • 天日干しはしないほうがいい。
  • コインランドリーや洗濯機で洗えるものが多い。 

綿は、

  • ふっくらして温かい。
  • 比較的重い。
  • 羽毛や羊毛、ポリエステルより放湿性が劣るため、こまめに天日干しの必要がある。
  • コインランドリーや洗濯機では洗えないものが多い。

ポリエステルは、

  • 安価でお求めやすく
  • 軽いので持ち運びや干すのが楽。
  • ただ、綿ほど温かくはない。
  • 化学繊維なので、綿埃が出ない。
  • 動物性の羽毛や羊毛と違いアレルギーがない。
  • 吸湿性は他に劣るが、汗などを吸わず湿気を溜めないので、放湿のために干す必要があまりないとも言える。
  • さらに抗菌や消臭加工が施されたものも多くあり衛生的。
  • コインランドリーや洗濯機で洗えるものが多い。

羊毛は、

  • 温かさは羽毛よりやや劣るが、綿やポリエステルよりは断然温かい。
  • 吸湿性と放湿性に優れ、あまり干さなくてもいい。
  • 天日干しはしないほうがいい。
  • 羽毛に比べれば安価で手に入る。
  • コインランドリーや洗濯機では洗えないものが多い。羊毛は動物性蛋白質を含むため、汚れから虫が湧きやすい。そのため、定期的にクリーニングに出す必要がある。


といったところでしょうか。

こうして各スペックを並べてみると、羽毛とポリエステルの2択かなと思いました。

理由としては、

  • 宿泊施設である以上、衛生管理はしっかりしたいため、コインランドリーや家で洗える布団がいい。
  • 寝室のある2階に布団が干せるベランダがなく、天日干しができないため、あまり頻繁に天日干しせずともいい、普段は室内で立てかけて軽く干すだけでも大丈夫な布団がいい。(天日干しするなら、1階まで布団を降ろして、外で干すしかないが、日常的に行うのはかなり手間。)

 

など。

では、羽毛とポリエステルを比較してみると

  • 羽毛は、吸湿性と放湿性に優れるが、ポリエステルは吸湿性が劣る。
  • 羽毛の方が温かい。
  • 羽毛は高価だが、ポリエステルは安価で手に入る。
  • 羽毛はアレルギーがあるが、化学繊維のポリエステルにはない。

こうして見ると、必ずしも高価な羽毛布団の方が優れているとは言えないと思います。一長一短です。


そして、基本はオールシーズンで使える、厚すぎず、薄過ぎない布団が良いんですよね。
暑くても、寒くても、ある程度は冷暖房で調整出来るので。
お世話になっているリネン屋さんからも聞きましたが、夏場、薄い肌掛け布団に入れ替えるホテルはあまり無いみたいです。
季節ごとに布団を替えたりはせず、年間通して同じ布団を使うのが大きいホテルでは一般的で、厚過ぎず、暖か過ぎないポリエステルの掛け布団が結構使われているらしいのです。


こうした点も考慮して、2択でどちらか選ぶとしたら…
うちでは、取り敢えずポリエステルの掛け布団を採用することにしました。
調べた範囲では吸湿性が劣る以外はとくに気になる点もなく、コスパも良いし、ほぼ完璧じゃないかと…。


それで、充填物がポリエステルの布団でいろいろと探しました。


で見つけたのが、

 

 


有名な西川布団の洗えるタイプの掛け布団。←正式な商品名じゃないです。 
アマゾンで税込み4715円のものです。
ただし、生産国が中国との表記が…少しだけ心配に。

 

説明を読むと…

がわ:ポリエステル100%、詰め物:ポリエステル100%(東レFTわた)

ん…?
東レFTわた”という表記が…。初めて聞くけど、東レは知っている。
で、東レFTわたに調べたところ、綿のように中空構造になった化学繊維で、ポリエステルの弱点であった吸湿性と放湿性に優れ、また保温性も高く、ボリューミーでへたりにくいとのこと。


なんだこれ、これが本当なら、最強じゃないかと…。
最早、ほぼ弱点のない最強の掛け布団です。

早速1枚アマゾンで購入し、2日後には到着。
で、試しに使ってみて問題無さそうなので、追加でこれを15枚買いました。

ようやく掛け布団が決まりました。

旅館業法許可申請と 布団選び その1

建物の改修工事が完全には済んでいないので、工事道具も片付いてはおらず、木くずが舞ったりしている状況では、汚れたり、壊れたりする恐れがあるし、工事の邪魔になるので、かなり前から必要な調度品や家電は徐々には買い揃えてはいたものの、建物に持ち込むのは躊躇していました。


そういった理由から、ホステルにおける重要なファクターである寝具一式、これが少なくとも20人分を揃えなければならないのですが、まだ購入していなかったのです…。
なんせ買っても置き場所がないと困りますから。

 

とは言うものの、オープンまで日もあまり残ってないし、どうしようか迷っていたところ、先日の旅館業法許可申請手続きの際、次に行う現地検査時までに、収容人数分の寝具も用意するようにと言われまして…、私としては、まさに寝耳に水で(まあ確認不足だったわけですが)、ここ1週間のうちに寝具一式を急ぎ買い揃えているのです。

 

他にも、各客室にゴミ箱を用意すること。浴室の衛生計画を立てるということで、水質検査をしてくれる検査機関と検査月を決めること。周辺地図は建物の300メートル圏内のものを用意してありましたが、もっと詳細な100メートル圏内のものも、次回現地検査までに用意するように、などと言われましたが、まあ、この辺りは問題ありませんでした。

申請手続きには担当の設計士さんと向かいまして、書類も専門的なものが殆どなので、ほぼ設計士さんが用意してくれています。

旅館業法許可申請そのものについては、他のブログでも詳しく書かれているだろうと思うので詳細は割愛しますが。

 

今後のプロセスとしては、旅館業法許可は保健所の担当者らによる現地検査をした後、審議にかけられ、問題がなければ旅館業営業許可証が発行されます。その時点でようやく営業を開始出来るのです。
先週、旅館業法許可申請に出向き、今週木曜日の6月27日に現地検査を行う予定で、
その後の審議にも1週間ほど時間を要するようです…。予定では7月頭には営業を開始するつもりでしたが…間に合いませんね。

 

正直タイトなスケジュールに加え、いろいろな事がスムーズにいかないことは常ですので、こうなるのことは薄々予期していましたが…。幸い事前予約はまだ取っていないので(取れなかったので)…その点は心配ないですが。

 

と言うのも、きの屋では宿泊予約サイトはまず、じゃらんさんにお願いすることにしたのですが、自分の調べでは、旅館業法許可取得前から、じゃらんネットに登録だけして、オープン前からでもネット上で予約を取り始めることが出来るはずだったのです。
ところが、いざ申請手続きを行ったところ、旅館業法許可取得前からの予約は代替施設を用意することが条件であることが判明したのです…。
たしかに、もし万一オープン前予約を取った上で、旅館業法許可取得がなにか予期せぬ事で間に合わなかったりでもしたら大変ですから。
実際、現にそうなっていますし 苦笑。


話を戻します。
それで、もうこれ以上は少しでも遅れてたくないので、急いで寝具一式買い揃えているのです。

ちなみに、きの屋は最大収容人数が凡そ20人の小規模宿泊施設です。そうは言っても、20人分の寝具は結構大きな買い物です。もっと大きな施設だったら尚の事でしょう。

以前から、なんとなく目星はつけていたり、いなかったり…。
でも、いざ「20人分買うぞ」となると、本当ににこれでいいのかと、いや、いいわけない、もっと調べていろいろ比較しないといけないのでは…となったんですよね。
で、比較するには実物を見て、触って、寝てみないとわからないですよね。そして、こういうPCや家電など同じでスペックを比較して物を買う時には、必ずネットで買う派の私です。基本は価格ドットコムとアマゾンレビュー、あとは専門店のブログを参考に、です。都内ならまだしも田舎ですし、近場で布団を売ってる所なぞニトリカインズホームくらいです。その2店だけで比較しただけではとても足りません。かといって、遠出して、布団屋巡りをするには交通費も馬鹿になりませんし…。

だからネットで1つずつ買ってみて比較することにしたのです。
ただ、現地検査まで1週間を切ってるので…そう悠長なことも言ってられないのですが。

陶器風呂の贅沢な浴室

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陶器風呂の浴室も概ね仕上がりました。信楽焼の緑色と茶色の陶器風呂が緑と銀の混色タイルとマッチしていると思います。
和風な篭網模様のタイルは一般的な平らなものと違い中央に盛り上がった形で、釉薬の斑と銀も混じった色といい、控えめなようでよく見ると主張のあるタイルです。

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滋賀県の有名な工房で作っていただいた信楽焼の浴槽の存在感といい、この浴室はきの屋で一番贅沢な見所でしょう。

拙いながらも私自身が手がけたラフ塗り漆喰壁の脱衣場も艷やかで味のあるエンジ色の洗面ボールとゴールドの水栓が入り、空間がぐっと引き締まった気がします。

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コンセントプレートがまだですが…。

 

 

消防と建築の完了検査

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工事も終わりに近づいたので、消防と建築の完了検査がありました。これが終われば、いよいよ旅館業法許可申請に入ります。

 

以前にも書いたとおり、旅館業を始めるには、旅館業法許可を得る必要があり、そのために営業する建物が満たすべき、法律や条例で定められた基準が多くあります。
床面積、入浴設備、トイレの数、換気や採光、耐震など、様々です。
それらを建物がちゃんと満たしているのか、保健所、消防署の検査をクリアしなければなりません。なので数ヶ月前の着工前から担当の設計士さんが保健所、消防署に構造や設備等の内容を相談しつつ設計し、図面を見せて確認を取った後に着工しています。


そして長かった工事もほぼ(許可申請が出来る程度には)完了したので、この日完了検査となりました。


消防法で消火器、誘導灯、非常灯、煙探知機、熱探知機などの設置も義務付けられており、それらの設置工事もありました。

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 完了検査は、建物が事前に相談した図面通りに作られているかどうか、避難上の有効開口や消火活動上の有効開口が確保できているかどうか、煙探知機などが完全に機能しているかどうか等、厳しく行われました。

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いくつかの箇所が消防署の担当者に事前に見せていた図面と異なっていたために、そこを指摘されたようです。専門的なことなので設計士さんにお任せし、詳細はわかりませんが…。

今は、検査済証と消防法令適合通知書待ちです。それが届き次第、申請に移ります。

聚楽壁塗り

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一部の漆喰壁はラフ仕上げで自分も手伝ったんですけど、聚楽壁の塗りはそうはいかないです。
聚楽壁は平らに綺麗に塗るので、左官屋さんに全てお願いしています。素人ではさすがに、技量も時間も足りないです…。

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それに漆喰にしても聚楽にしても綺麗に滑らかに塗られているととても品があります。
この建物の作りが古民家といいうほどには古くはなく(古民家の定義は築50年以上で、ここは築30年以上)、ただ普通の民家よりは天井が高かったり、
割と格式ある雰囲気なので、壁は全体的に品よく滑らかに仕上げたいんですね。
いわゆる梁がむき出しになっているような古民家なら、それこそ主張ある荒っぽい漆喰や土壁なんかが合うと思うんですけど。

それと客室の全てとフロント前のラウンジなど全体的に畳の和室が多いのですが、畳部屋は漆喰より聚楽の方が合うんですね。
板張りの廊下やカウンター席などは漆喰でやっていますけど、それでも抑え仕上げで滑らかに平らにに塗っています。
唯一、陶器風呂の空間は強く和の雰囲気を打ち出したい感じなので、主張ある荒っぽいラフな塗り方の漆喰壁にしていますが。

漆喰壁塗り

予算の都合で、一部の壁塗りを自分でやることにしました。
これは浴室の脱衣所を塗っている様子です。

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左官屋さんにコテなどの道具と材料は用意していただき、教えてもらいながらです。
どうしても仕上げが上手くいかず、最後は親方さんに直してもらうことに 汗。

素人目にほぼキレイで平らに塗れたと思ったのですが、プロの目から見たら甘かったようです 苦笑。


上のように平らに塗る抑え仕上げという塗り方は難しいですが、ラフ塗りなら素人でも出来るだろうとのことで…。
もうひとつの陶器風呂の脱衣所はラフ塗りで仕上げることに決めました。
このラフな仕上げにはいろいろなバリエーションがあります。
扇仕上げ、スパニッシュ仕上げ、ヒキズリ仕上げなどなど…。

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ヒキズリ仕上げというコテを平行に当てながら滑らせて瓦のような模様を作るやり方をベースに自分がやりやすいようアレンジしなら作業を進めました。

最初は平行に滑らせていたんですけど、少し曲線を描いた方がやりやすいことが分かってきて、後半はヒキズリ仕上げと扇仕上げの中間くらいな感じになりました。

とくに一日の終盤の作業は荒々しい感じに仕上げています。疲れもありましたが、投げやりになったわけではなく、その方がかっこよく仕上がるかなと。

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天井は漆喰が塗りづらいためクロスになります。

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